大真面目に、ふざける
こんなに大真面目に、ふざけたジャケットを僕は知りません。
見た目はカバーオールなのに、やっていることはかなり自由です。
袖口の太さが変わったり、かと思えばパカっと開いたり。
両サイドも開くし、スナップボタンをパパッと外すだけで、服の形も、空気の通りも、着心地も変わっていく。
どこかの軍のジャケットで似たような構造を見た気もするのですが、思い出せない。
ただ、これを今の服としてうまく形にしているのが面白いところだと思います。
ワークの顔、自由な中身
フロントは4つボタンに、フラップ付きの胸ポケットとサイドポケット。
いわゆるワークジャケットの構成ですが、ポケットはパッチではなくサイドからアクセスできる仕様で、しかもそこも開閉できる。
さらに内側には3つのポケット。
しっかり作り込まれているのに、どれも主張しすぎず、あくまでさらっとそこにある感じです。
シルエットは身幅をたっぷり取ったリラックス型。
袖は少し前に振れた立体的な作りで、腕を通すと無理なくおさまる。
背中の縫い合わせもあえて太く取られていて、このバランスが個人的にはすごく好きです。
脱ぐんじゃなくて、開く
このジャケットの一番いいところは、やっぱり『調整できること』だと思います。
暑ければ開ける。
動けば空気が抜ける。
座れば裾が逃げる。
脱ぐんじゃなくて、開くことで対応する。
この感覚は、普通のジャケットにはあまりないものです。
着ていると、環境に合わせて少しずつ変えていく感覚が自然と出てきます。
歩いているとき、座ったとき、少し暑いなと思ったとき。
その都度ちょっと触るだけで、着心地が変わる。
この構造は、そういう『移動中の動作』に対して、ちゃんと答えを持っているように見えます。
性格の違う2色
生地は2種類。
オリーブはコットンリネンのドライタッチ。
凹凸があって肌離れがよく、少し沈んだ色の出方もすごくいい。
開閉部分に使われているグレーのヘリンボーンテープが、動いたときにチラッと見えるのも効いています。
アメリカっぽい強さではなく、どこかヨーロッパのミリタリーウェアのような静かな色。
ネイビーはコットンナイロン。
少しだけ光沢があって、シャリっとした質感。
インディゴにブラックの糸を混ぜているので、かなり深い色になっています。
洗っていくと少し青みは出てくると思いますが、軽くなるというより、奥行きが出ていく感じ。
こちらはテープも同色でまとめていて、全体がすっと落ち着いて見えます。
惹かれる色
まぁわかってるんですよ。ネイビー、かっこいいですよね。
でも今回僕は、オリーブに惹かれました。
理由はうまく言えないんですが、この色を見ると白とか、綺麗な色を合わせたくなる。
強く主張してくる色ではないのに、合わせる色で表情が変わる。
着ていくうちに少しずつ色が抜けていって、その変化も含めて楽しめそうなところにも惹かれました。
同じ生地でハーフパンツもあって、セットアップでも着られます。
ただ、それはまた違う機会にちゃんと話したいところです。
遠くへ行きたくなるトラベラージャケット
オフィシャルではカバーオールですが、僕は勝手にトラベラージャケットと呼ぶことにします。
いわゆる『トラベラーズジャケット』って、ポケットがたくさんあって便利、みたいなイメージがありますが、これは少し違う。
収納を増やすんじゃなくて、動きを邪魔しない。
着替えるんじゃなくて、そのまま対応する。
服が何かしてくれるというより、動いたときにちゃんと応えてくれる感じです。
どこかに行くための服というより、
移動している時間そのものを、少し気持ちよくしてくれる服。
袖を通すたびに、ふらっとどこか遠くへ行きたくなるような、そんな高揚感を抱かせてくれるジャケットです。




























