nakamura shoes T-01 / T-02 Buffalo Leather Dark Brown 2026.9.8. 一年という時間が、答えになった ちょうど一年ぶりです。 去年、中村さんに作ってもらったTストラップの靴。 黒のベロアでお願いして、自分でも一足買いました。 一年履いてみて、今年もまた同じモデルを作りたいと思いました。 中村さんの靴は、写真を見ただけではなかなか全部を説明できません。 ものすごく変わったことをしているわけでもないし、見た瞬間に驚くようなデザインでもない。 でも、履くといい。 足を入れた時の収まりだったり、歩いた時の安心感だったり、長く履くことを考えて作られていることだったり。 その良さは、一年履いた今の方がよく分かります。 店頭でも、nakamura shoesのことを知らずに来られた方が、何気なく履いてみてそのまま買ってくださることがあります。 一方で、毎回入荷を楽しみにしてくださっている方もいる。 どちらも、なんとなく分かる気がするんです。 履いてみると、その理由がちゃんとある靴だから。 今年は、色ではなく革から変えた ということで、今年も同じTストラップをお願いしました。 ただし、今回は革も色も変えています。 去年は黒のベロア。 あれはあれでとても気に入っています。 でも実は去年、妙子用にこのモデルをダークブラウンのバッファローレザーで作ってもらっていました。 その仕上がりを見て、次に自分が作るならこれだと、もう決めていたんです。 去年はベロアだったので、今度はもう少し季節を選ばず履ける表革にしたかったこともあります。 考えてみると、中村さんの靴に限らず、僕が扱ってきた革靴は黒が多かった。 今回選んだのは、そのダークブラウンのバッファローレザーです。 均一ではないから、表情がある 表面には水牛革らしい細かなシボがあり、その出方も均一ではありません。 つるっと綺麗に整った茶色ではなく、場所によって革の表情や色の見え方が少しずつ違う。 でも粗野になりすぎず、油分を含んだ革ならではの自然な艶もあります。 この少し素朴な茶色が、丸みのあるトゥとTストラップによく似合いました。 新品の状態ですでに、いい表情があります。 丈夫でしなやかな革なので、この先どう馴染んでいくのかも楽しみです。 クラシックだけど、扱いは気楽 形は昨年と同じです。 甲からすっと伸びるT字のストラップと、丸みのあるトゥ。 一見すると少しクラシックな靴ですが、実際に履いているとそこまで構える必要はありません。 僕自身、この一年かなり普通に履いていました。 そして、この靴で気に入っているのがストラップの作り。 バックルで一度自分の足に合う長さを決めてしまえば、その後は下に付いたスナップボタンで着脱できます。 毎回バックルを外す必要はなく、パチッと留めるだけ。 こういうところも、中村さんの靴らしいと思います。 見た目を変えるための仕掛けではなく、毎日履く人のことを考えた作りです。 長く履くためのことを、普通にやっている 今回は『T-01』と『T-02』、どちらも同じダークブラウンのバッファローレザーで作ってもらいました。 僕は、男性ならT-01、女性ならもう少し足の見える部分が多いT-02の方が可愛いかなと思って、この二型を選んでいます。 もちろん履き方に決まりがあるわけではありません。 T-02は今回も3Eワイズでお願いしているので、見た目は少し華奢でも、つま先には窮屈さが出にくい作りです。 ソールはどちらもVibram。 ちゃんと歩けて、修理しながら長く履ける。 そういう当たり前のことを、当たり前に大切にして作られています。 この一年履いて、また今年も作りたいと思った靴です。 黒のベロアとはまた違う、茶色の表革。 自分でも、今年はこっちを履いてみたいと思っています。 中村さんの靴は、あれこれ言うより履いてもらうのが一番早い。 今年も、いい靴が届きました。 T-01 33000 tax in 26cm / 26.5cm / 27cm / 27.5cm T-02. 33000 tax in 23cm / 23.5cm / 24cm 中村さんの靴はオンラインショップへの掲載ができません。 サイズ感や詳細など、ご不明な点がありましたら、お電話、DM等でご連絡ください。 HOPPER'S BRUNCH R-Shirts Color Nep Flannel Natural 見えてしまった、色の粒 わたパチってご存知ですか? 今から10年ほど前に廃盤になってしまった駄菓子なんですが、甘くて、そんなに早く溶けない綿菓子の中に、口に入れるとパチパチっと弾ける、今思うとかなり刺激的なものが入っていました。 僕は小学生の頃あれが好きで、よく食べていました。 主にぶどう味を食べていたので、紫色の記憶が強いんですが、きっといろんな味があったんだと思います。 今回のHOPPER’S BRUNCHの展示会で、このシャツを見た時、なぜか真っ先にそれを思い出しました。 僕は展示会に行っても、最初からラインナップを全部見ないようにしています。 森下さんと話しながら、少しずつ服を見ていくのが好きなんです。 でも、これは見えてしまいました。 シャツなのにハンガーに吊られていなくて、ニットみたいに平置きされていたんですが、横を通った時に目に入ってしまった。 白地の中に、赤、青、緑、オレンジ、紫。 細かなネップがランダムに入り混じっています。 もちろん、こんな配色のわたパチはなかったと思います。 でも、もしアソートのわたパチがあったら、たぶんこんな感じだったんじゃないかと。 何が言いたいかというと、僕はあの時と同じくらいパンチを食らったということです。 しかも、よく見るとネルシャツ。 でも、いわゆる冬のネルシャツみたいに毛羽立ちが強くて、見るからに暖かそうな生地ではありません。 表面にはわずかに起毛感がありますが、それほど厚くない。 触ってみると、可愛い見た目のわりに意外としっかりしていて、ちゃんとタフそうです。 ネルなのに重たくない。 まだ暑さの残る時期からでも、これならすぐ着られそう。 というより、すぐ着たい。 そう思いました。 素直な形に、厄介なくらい楽しい生地 10人いたら10人が「いいじゃん」と言う服ではないと思います。 でも僕は完全にツボでした。 しかも、この生地が乗っているのが、ものすごく素直なシャツなんです。 少し身幅にゆとりを持たせた、リラックスフィットのレギュラーカラー。 胸にはポケットがひとつ。 変わった襟でもなければ、妙な切り替えがあるわけでもない。 なんだかこれすら疑ってしまうくらい、素直に着やすい形です。 でも、着てみて分かったんですが、これを『普通に着れるシャツ』で終わらせたくないんです。 合わせやすいのは事実。 でも、それだけなら僕もここまで興奮していません。 やっぱり主役は、このネップです。 見た瞬間にわたパチを思い出した色の散らばり方と、生地そのものの面白さ。 その強さを残したまま、ちゃんと着られる形になっている。 僕はそこが、このR-Shirtの面白いところだと思います。 らしくないのに、やっぱり森下さん 僕の好きなブランドでいうと、QUILPもHOPPER’S BRUNCHも、いわゆるベーシックなシャツをそれほど作ってこなかったと思います。 少なくとも僕の記憶では。 シャツでいうと、ポストの方がもっとみんなが着やすい立ち位置にいる。 僕はどちらかというと、ムッツリした服が好きです。 真面目な顔をしているのに、どこか不真面目だったり。 優しい顔をしているのに、少し腹黒かったり。 そういう服に惹かれます。 そして、それが大体森下さんの服だったりします(笑)。 そこにポストやフランクを合わせていく。 だから本来なら、こんなに素直なレギュラーカラーシャツが出てくるとは思っていなかったブランドから、ドンピシャな一枚が来てしまった。 ちょっとしたプチパニックです。 イタリアの生地を、日本で着たい形に 生地は、イタリアの老舗シャツ地メーカー『TESSITURA MONTI』のデッドストック。 1911年創業で、アルビニやオルトリーナと並ぶ、イタリアを代表するシャツ地メーカーのひとつです。 今回使われているのは、自社倉庫に残されていた微起毛のフランネル。 すでに生産を終えている生地なので、同じものをもう一度作ることはできません。 イタリアのシャツ地と聞くと、僕の勝手なイメージでは、イタリアの親父が身体にピタッとしたシャツを着ている姿が浮かびます。 でも、この生地を日本に持ってきて、こんなゆったりしたシルエットのシャツにしてくれた。 これ、地味にでかいことだと思っています。 生地だけを見ればかなり個性的なのに、着るためのハードルはちゃんと下げてある。 だから「面白い生地だな」で終わらず、ちゃんと着たいところまでいくんです。 生地は綺麗。 色彩も美しい。 でも、着方は気取らなくていい。 一枚で着てもいいし、ボタンを開けて羽織ってもいい。 もう少し寒くなればジャケットの中にも入る。 合わせやすいのは確かなんですが、合わせやすいから存在感が消えるわけではありません。 ちゃんと、このシャツを着ている楽しさが残る。 そこがいいんです。 秋冬に、色を散らす 写真を撮りながらボトムスを考えてみても、あらあら、なんでもいけるじゃないと。 軍パン。 少しスラックス寄りの土色のパンツ。 DAVISみたいな太いパンツ。 チャコールや黒でもいい。 ネップって柄ではないので、ちょっと立ち位置がずるいんです。 無地のつもりでも着られるし、柄物みたいに色を拾って遊ぶこともできる。 遠くから見れば白がベース。 でも近づけば、いろんな色が散っている。 なんだったら、印象派の絵みたいにも見えてきます(笑)。 今シーズン、ポストやササフラスも含めて、僕自身かなりダークトーンの服を選んでいます。 秋冬はどうしても全体が暗くなりやすい。 そんな中に、この白と細かな色が入ると、一気に華やかになるんです。 とはいえ、派手な柄シャツを差している感じではない。 大人のポップさ、とでも言えばいいんでしょうか。 こういうのを、おじさんが着ている方が僕は楽しいと思います。 もちろん女性が少しゆったり着ても可愛い。 僕でサイズ1がちょうどいいくらいです。 サイズ2なら、だいたい173cmから180cmくらいの方。 サイズ3は、普段ポストやササフラスでXLを選ぶような方にイメージしてもらうと分かりやすいと思います。 ぜひ、ちょっとチャレンジしてみてほしいです。 シャンブレーより、わたパチ ちなみに同じR-Shirtでは、もう一つTESSITURA MONTIのデッドストックを使った、綺麗なシャンブレーもありました。 アメリカンなシャンブレー顔ではなく、もう少し品のある綺麗な顔をしたシャンブレー。 普通に考えたら、そっちの方を多く仕入れますよね。 僕もそう思います。 でも実際は逆でした。 ほぼ全部、わたパチ。 シャンブレーは、好きそうな人の顔が浮かんだので少しだけ。 そのくらい、僕はこの生地にやられました。 可愛いだけのシャツではありません。 生地は思ったより頼もしく、ネルなのに重たくない。 素直に着やすい形なのに、普通の白シャツにはならない。 合わせやすいのに、ちゃんと着る楽しさがある。 たぶん僕がこの秋冬、いちばん最初に着たいと思ったシャツです。 大人になって、もうわたパチは食べなくなりました。 でも、こういうわたパチなら、まだまだいけそうです。 https://kado-onomichi.jp/product/hoppers-brunch-r-shirts-color-nep-flannel-natural/ ELEY KISHIMOTO × FILA Track Suits ジャージに見えても、それでいい ジャージに見えても構わない。 というか、たぶん見える。 セットアップで着ているだけで「部活?」って聞かれたことがある人、結構いると思います。 僕もあります。 でも今回は、それでいいんです。 これはファッションだから。 ELEY KISHIMOTOとFILAによるコラボレーション。 離れて見ると、ほとんど単色のトラックスーツです。 柄なんてどこにあるんだ、というくらい。 でも近づくと、初めて気づく。 生地の中に、ELEY KISHIMOTOの代名詞でもある『FLASH』の稲妻模様が、うねるような表情でびっしり入っています。 叫んでない。 でも、いる。 そのくらいの主張の仕方が、僕にはちょうどいい。 僕自身、柄を前面に出して着たいタイプではないので、FLASHというこれだけ強いモチーフを使いながら、「柄を着ています」という感じにならないところがまず好きでした。 FLASHを、柄ではなく生地の表情に そして実物が届いて、もう一つ発見がありました。 このFLASH、プリントではなくジャカードの総柄で表現されています。 素材は、吸水速乾性とUVケア機能を備えたスムースジャージ。 一般的なジャージにあるツルッとした感じがほとんどなく、かなりマットな表情です。 近くで見ると生地には細かな凹凸があって、FLASHが表面をうねっているようにも見えます。 Blackは黒、白、グレーの三色構成。 FLASHは黒とグレーの濃淡で表現され、少し離れればほとんど黒一色に見えます。 Khakiはダークカーキとカーキのグラデーション。 こちらの方がBlackより少し柄は分かりやすいですが、それでも離れると一色のカーキに見えるくらい。 どちらもFLASHを見せるための色というより、FLASHを生地の表情として見せるための色なんだと思います。 このラインが、ちゃんとジャージに戻してくれる そして両サイドには、FILA伝統のセブンストライプテープ。 これも実物を見ると、やっぱりあった方がいい。 FLASHのジャカードだけだと少しファッションに寄りすぎるところを、このラインがちゃんとスポーツウェアに戻してくれています。 後ろ姿もかなり静かです。 FLASHはしっかり入っているのに、ブランドの主張は必要以上に強くない。 そのくらいの見え方が、このトラックジャケットには合っている気がします。 僕にとって、服もスポーツのモチベーション でも、なんでこんなに惹かれたんだろう。 正直に言うと、僕はアスリートではありません。 競技として何かを突き詰めているわけでもないし、毎日のようにトレーニングウェアを着て身体を追い込む生活でもない。 久しぶりにみんなで体を動かしたり、 今日はちょっと走ってみようかなと思ったり、 僕にとってスポーツは、そのくらいのものです。 だからこそ、服は結構大事だったりします。 今日はやろうかな。 せっかくだから、これ着て行こうかな。 そうやって自分のモチベーションを少し上げてくれるのが、僕の場合は服なんです。 みんなで色を揃えても面白い。 一人で勝手に楽しんでもいい。 部屋で着ていて、そのまま外に出てもいい。 何年ぶりかにスポーツします、くらいでもいい。 ガチじゃなくてもいい。 久しぶりでもいい。 そういう人にも開かれているのが、スポーツウェアのいいところなのかもしれません。 スポーツとファッション、その間にちょうどいた そこへ現れたのが、FILAとELEY KISHIMOTOでした。 しかもadidasでもNikeでもなく、FILA。 ここも僕には良かった。 もちろん歴史のあるスポーツブランドですし、テニスなどでは馴染みのある方も多いと思います。 ただ僕自身は、これまでFILAに深く触れてきたわけではありません。 知っている。 なんとなく印象もいい。 でも、自分の中で『FILAとはこういうブランド』という像が出来上がりすぎていない。 そのくらいの感じが、今回はむしろちょうど良かったんだと思います。 そして、あれこれ考えましたが、 着てみれば結局ものすごく単純です。 動きやすい。 伸びる。 楽。 さらに吸水速乾性があり、UVケアまで備わっている。 そりゃそうですよね。 ちゃんとスポーツウェアですから。 ジャケットはゆとりのあるシルエットで、パンツはすっきりとしたストレート。 上下で着ても昔ながらのジャージそのままには見えないけれど、ファッションに寄せすぎてもいません。 セットアップでもいいし、ジャケットだけでも、パンツだけでも普通に使えます。 こういう提案は今まであまりしてこなかった気がしますが、実際に着てみると、当たり前のように便利です。 ジャージに見えても構わない。 むしろ、そう見えるくらいでちょうどいい。 そのくらい普通の顔をしている方が、 僕はきっと、ちゃんと着ると思います。 https://kado-onomichi.jp/product/eley-kishimoto-x-fila-track-jacket-black/ https://kado-onomichi.jp/product/eley-kishimoto-x-fila-track-jacket-d-khaki/ https://kado-onomichi.jp/product/eley-kishimoto-x-fila-track-pants-black/ https://kado-onomichi.jp/product/eley-kishimoto-x-fila-track-pants-d-khaki/