陽気さを、少し静かに
ずっと気になっていたのに、なかなか仕入れられなかったシャツがあります。
キューバシャツです。
『GUAYABERA(ワヤベラ)』とも呼ばれる、カリブの空気をまとったシャツ。
4つのポケットに、前後へ走る細かな縦プリーツ。
ワークシャツとして生まれながら、街に出て、やがて正装にもなっていった独特の存在です。
ネクタイはしない。
でも、だらしなく見えない。
あの土地ならではの、力の抜けた品の良さ。
昔からずっと好きでした。
でも正直、自分で着るとなると少し話が違いました。
あの装飾の強さが、自分には少し強すぎる。
顔の濃い自分が着たらどうなるか。
想像するだけで、少し怯んでいたんです。
それがPost O’Allsのフィルターを通して出てきた時、「これだ」と思いました。
残すところは、ちゃんと残す
Town & Country HAVANAは、ワヤベラをそのまま再現したシャツではありません。
象徴的な前後のプリーツは省き、装飾も削っている。
でも、オープンカラーと4つのフラップ付きポケット、裾を出して着るためのボックスシルエットという骨格はちゃんと残している。
残すところは残して、引くところは引く。
この編集の仕方が、すごくPost O’Allsらしいと思います。
アロハシャツのような南国の華やかさとも違う。
ビーチ感の強いリゾートシャツとも違う。
同じ暖かい土地の服でも、もっと静かで、もっと長く付き合える。
ポスト流キューバシャツ、という言い方がしっくりきます。
陽気な顔をして、仕事は真面目
このシャツの良さは、見え方だけではありません。
バックヨークは生地を斜めに使ったバイアス取り。
背中の柄合わせもきっちり揃えている。
襟は袋縫いで丁寧に仕立てられていて、肌あたりもやわらかい。
陽気な顔をしているのに、やることはきっちりやる。
こういう真面目な仕事があるからこそ、肩の力を抜いて着てもちゃんと見えるんだと思います。
街にも、風にも似合う
セレクトした生地は2種類。
Black Checkは、このHAVANAに都会的な見え方を加えてくれる生地です。
軽くて乾きやすいブロードクロスの実用性に、細かなチェックの緊張感が乗ることで、南国由来の空気が少し整理される。
HAVANAという名前のシャツが、チェックを着ている。
その少しちぐはぐな感じが面白い。
Cool BreezeのNavyは、見た目よりずっと軽く、袖を通した瞬間から風が抜けていく感覚がある生地です。
ネイビーの色がオープンカラーと4つのポケットを自然に引き締めて、ワヤベラがもともと持っていた気楽な品の良さを、素直に引き出してくれます。
ブラックチェックは街の空気を足してくれる。
クールブリーズは、このシャツの軽やかさを素直に引き出してくれる。
見え方は違うけれど、どちらもHAVANAの良さをちゃんと支えている生地です。
ようやくわかったこと
気楽なのに、少しきちんとしている。
軽いのに、どこか品がある。
たぶん、このシャツの良さはそこなんだと思います。
キューバシャツに惹かれていた理由も、ようやくわかった気がします。
陽気さや空気感に惹かれていたんじゃなく、その奥にある気楽な品の良さが好きだったんだと思います。
Town & Country HAVANAは、それをちゃんと残してくれていました。
街でも、旅先でも、いつもの日でも。
肩の力を抜いて着られて、ちゃんと気分が上がる。
今の自分には、こういうシャツがしっくりきます。






















