仕立て屋のように磨かれた一枚
まるで英国の仕立て屋が、こだわりの強い顧客のために誂えたようなフィッシュテール。
HOPPER’S BRUNCHの〈Fishtail Coat〉は、US ARMYの名品M-65をベースに、細部まで丁寧に見直し、現代の感覚で再構成された一枚。
ミリタリーの骨格を残しながらも、街に自然と馴染む軽やかさと美しさを備えています。
構造とバランスの再設計
シルエットは、オリジナル同様にゆとりを持たせた設計。
元来フィールドジャケットの上から羽織ることを想定した構造を踏襲しながら、今の暮らしに合うバランスへと整えられています。
肩の力を抜いたリラックスした形でありながら、裾にかけてストンと落ちるラインが印象的。
ドローコードを絞ればウエストに陰影が生まれ、絞らず着れば、生地がやわらかく波打ちながら自然な立体感を描く。
歩くたびにわずかに揺れ、動きの中に静けさが宿る——そんな佇まいです。
素材が語る上品さと温もり
素材には、高密度に織り上げたリサイクルポリエステル×オーガニックコットンを使用。
軽やかでハリがあり、光の加減で陰影が変化する上品な表情が魅力です。
スナップボタン裏にはレザーの補強パッチを配し、見えない部分にも手仕事の丁寧さが宿る。
ポケットの内側には肉厚なフリースを忍ばせ、寒い季節にも心地よい温もりを感じられます。
先日ご紹介したリバーシブルのキルティングジャケットと組み合わせれば、季節をまたいで着られる冬仕様に。
それぞれが独立して完成していながら、重ねることで新しい景色が生まれる関係です。
光と影を纏うブリックカラー
このブリックカラーは、赤と茶のあいだを行き来する絶妙なトーン。
深みがありながら派手ではなく、光を受けるたびに表情を変えます。
どこかアフリカやメキシコの乾いた大地を思わせる色で、
強い日差しの下でもくすまず、むしろ生命力を帯びて輝くような美しさがあります。
環境に負けず、けれど争わず、ただそこにあることで調和する。
そんな、自然と共存する美しさを感じさせる強い色です。
静かな熱を宿したフィッシュテール
いまの季節の感覚に合わせた軽やかな重ね着、
そして長く着られる機能性やユーティリティー性——
そうした要素を背景に持つこのフィッシュテールは、見た目の美しさだけでなく、日々の装いに新しい自由を与えてくれる。
既視感のないブリックという選択が、静かに、しかし確かな個性として息づく一着です。

















