古き良き時代の生地をファッションに落とし込む
フランクリーダーやデザーティック、最近ではQUILPのシャツもそうですが、ビンテージファブリックを用いて洋服を作っているブランドにとても魅力を感じます。
もちろんポストの生地の選び方や、ササフラスが選ぶワークウエアとしての生地、並々ならぬ糸へのこだわりのフィルメランジェなど、新しい生地や糸を使って素晴らしい物作りをされているブランドも大好きです。
ただ、工場や人、効率の関係で今はもう作れなくなってしまった素晴らしい生地には、儚い美しさがやはりあります。
そんな古き良き時代の手仕事の良さを、素材やスタイルに落とし込み、決して大量生産の洋服ブランドには辿り着けない孤高の存在なのが、フランクリーダーです。
今季もチェコの生地コレクターから買い付けたスペシャルな生地を使ったシャツが届いてます。
Rare Czech Vintage Short Sleeve Shirt
染め具合の違う3色のグラデーションカラーで表現されたストライプ。
リネン60%とコットン40%の混紡素材ですが、『1950年代』で『チェコ製』という情報以外は、わかっておらず、もしかしたら戦前、もしくはそれよりも前の生地かもしれないと聞いています。
この美しいブルーと杢のストライプは、展示会場で一番僕の目をひいた色で、値段はとっても可愛くないけれど、とにかくこれは確保しなければとすぐさまオーダーをかけて押さえて頂きました。
どこか和な雰囲気も感じさせる『藍色』。
清涼感のある掠れた杢は、リネンコットン特有の立体感があり、ドライで肌離れが良く、夏の日差しにこそ美しく見える色だと思います。
貴重な生地を最大限に活かす仕立て
ややボックスシルエット気味の半袖開襟シャツ。
仕立てはとてもシンプルですが、襟の柄合わせや、アンティークボタンとのバランス、緩やかにラウンドした裾など、この貴重な生地を最大限に活かすよう計算されたフランクの美意識が極まった一着です。
誰もが忘れていた、もしくは見向きもせず通り過ぎていった過去の美しいものに気付き、足を止め、そこに価値を見出し、新しいものに昇華させる。
フランクリーダーは、その感性と技術を持って『サステナブル』な方法でコレクションを発表している稀有なデザイナーです。