ポストの普通な普通じゃないB.D.シャツ
先シーズン復活したポストのボタンダウンシャツ。
今季はイカット(絣)マドラスで登場です。
【POST BD 2】
その昔、ニュージャージー州のシャツ工場で作られていたPost O’AllsのB.Dシャツ。
他のシャツのように工業用ミシンで縫い上げるのではなく、専門的な縫製工場で縫われていたそのシャツは、台襟の高さ、襟の羽根、ボタンの厚み、サイドシームの針の運び方(運針)等、全てのディテールが美しく絶妙なバランスで一体となり、それはまさに伝統的な『アメリカンシャツ』そのものでした。
その当時のポストのB.Dシャツを今でも何枚か持っていますが、生地がブロードのギンガムチェックや、刷毛目のクレイジーパターンといった比較的薄手の生地が多かった記憶があります。
独特の風合い、イカット(絣)
今回は少し凹凸感のあるドライタッチなコットンを使い、発色の良い綺麗なマドラスチェックをイカット柄で表現することで現れるオリエンタルなムードが新鮮で、早く着て出かけたくなるような爽やかなシャツです。
ジャケットはもちろん、スプリングコートやベストなど合わせて、柄を主張させても良し、インナーの差し色としても合わせやすい、リラックスしたムードときちんと感を併せ持つ優秀なシャツです。
通気性や速乾性の高い生地なので、湿度の高くなる日本の春夏にも対応してくれます。
ガシガシと着込んでいくごとに味わいが深まり、柔らかく、体に馴染んでいく感覚を経年変化として楽しんでもらえること間違いなし。
万能なシルエット
シルエットは、スリムでもワイドでもない、ちょうどいい感じのリラックスフィット。
裾のラウンドも自然で、浅すぎず、深すぎず、絶妙なバランス。
ブルックスのシャツやインディビ、ギットマンには付いていないですが、サイドにマチが付いているのも個人的には嬉しいところ。そこにスペアのボタンが縫い付けてあるのもニクい。
B.D.シャツの顔『襟』
そしてこのシャツの顔は『襟』です。
僕はほぼすることはありませんが、ネクタイをしたときに見られる襟のロール、そしてタイを外した時の襟元の曲線の美しさたるや。ため息もの。
グッと色気が出ますね。
多分襟に芯地が入っていないので、洗っていくと襟がクタッと倒れていきます。
その感じもまたいいんです。
このシャツシリーズにだけ付いている分厚いシェルボタンも気付く人だけ気付くポイント。
丁寧に編集された『普通のシャツ』
全体的な雰囲気は、アメリカントラッドなムードですが、ポストオーバーオールズの絶対的なバランス感覚の元、一つ一つのディテールが丁寧に選ばれ、配置される。
トレンドに左右されることもなく、あらゆる場面、あらゆる装いにそっと寄り添い、いつまでもワードローブに残り続ける。そんな 『普通』の洋服。
ポストのシャツはだからお勧めなんです。