説明
派手さはないのになぜか気になる不思議な春色
ひと目で強く主張する色ではないのに、見ているうちにじわじわ良さが出てくる。
少しくすんだような、グレーがかったオリーブに、落ち着いたイエローのウィンドウペン。
ぼんやりして見えそうでいて、実際にはちゃんと品がある。
この曖昧さと整い方の両立が、とてもQUILPらしいと思います。
ラックにかかっている中から、なぜか気になってしまう。
そんな空気を持った一着です。
気づけば、ジャケットはサイズ3、トラウザーズはサイズ2だけになっています。
MOON by Abraham Moon&Sons
生地は英国MOON社のウールリネン。
歴史あるミルのものですが、古典的すぎたり重たく見えたりする感じはなく、むしろ春らしい軽さがあります。
ほんのりと光沢があって、やわらかさの中に適度なハリもある。
ウールのしなやかさとリネンの軽やかさがうまく重なっていて、見た目には落ち着きがありながら、着ると重苦しくありません。
柄も強すぎず弱すぎずで、無地の延長のような感覚で使えるのもいいところです。
色の出方としては、個人的には地黒の自分よりも、もう少し肌の白い方のほうがよりきれいに映る気がしますが、そういう微妙なニュアンスまで含めて、この生地の面白さだと思います。
DUNBAR
ジャケットのDUNBARは、ワークウェアのカバーオールをベースにしながら、とても自然にバランスよく見える一着です。
3つのパッチポケットというオーソドックスな構成なのに、全体の見え方がとても洗練されている。
肩は張らず、身幅にはきちんとゆとりがあるのに、ただ大きい服には見えません。
ストンと落ちる縦のラインがきれいで、体の動きにも無理なくついてくる。
Tシャツの上からさらっと羽織るだけでも成立するし、シャツの上に重ねても堅くならない。
きちんとしすぎないのに、崩れて見えない。
そのバランスは、やはりパターンの力だと思います。
SCOTT
トラウザーズのSCOTTもまた、力の抜けた良さがある一本です。
ベースはベイカーパンツですが、無骨さを前に出したものではなく、腰回りにたっぷり余裕を持たせながら裾に向かってきれいに収まるテーパードが効いています。
イージー仕様で気負わず穿けるのに、全体はすっきり見える。
ラフに穿けることと、見え方がだらしなくならないこと。
その両方がちゃんと成り立っています。
Tシャツとサンダルで軽く合わせても形になりますし、シャツや革靴を合わせれば、自然と落ち着いた印象になります。
日常着としての気楽さを持ちながら、服としての品もちゃんと残っています。
セットアップでも単体でも使える
もちろん、この2型はセットアップでもとてもいいです。
いわゆるスーツのような緊張感はなく、少しゆるさがあるのに、全体で見るときれいにまとまる。
上半身に厚みがあって、下半身は比較的すっきりしている体型の方なら、今残っているサイズ3のジャケットとサイズ2のパンツでうまくはまる方もいらっしゃると思います。
ただ、この生地と形は上下で揃えなければ意味がないタイプではまったくなくて、それぞれ単体でも確実に使えます。
ジャケットは春先の羽織りとしてかなり頼れますし、パンツも柄物でありながら驚くほど普通にワードローブへ入ってきます。
セットアップで着る良さもあるけれど、単品で手元に残っていく強さもしっかりある。
そのあたりも、この生地とパターンのバランスがいいからだと思います。
自然体の強さ
頑張って洒落て見せる服ではなく、いつも通りに着たときに、自然にバランスが整う服。
しかも、その見え方がありきたりに収まらず、色や柄のニュアンスできちんと印象に残る。
QUILPの洋服の良さは、そういうところにある気がします。
残りはジャケット1着、トラウザーズ1本。
単体でも確実に使えるので、合う方はそれぞれで選んでもらえたら十分だと思います。