主役の鞄、名脇役の鞄
うちのお店では、これまでdeserticの鞄をよくおすすめしてきました。
唯一無二の存在感があって、使っていないときでもインテリアになるくらいデザインが強い。
ハンドクラフトの温かみと、ポップな空気。
その二面性が面白くて、僕自身もとても好きなバッグです。
deserticは、装いの主役になるタイプの鞄だと思います。
それに対して、このConkersの『Postal Sling』は少し立ち位置が違います。
見た目のかっこよさはもちろんあるのですが、それ以上に「合わせやすさ」が際立つバッグです。
生地の良さにまず惹かれる
まず、生地がとてもいい。
デッドストックのコットンコーデュロイ。
そう説明されなければ、昔の生地だとは誰も気づかないと思います。
深いブラウンの発色がとてもきれいで、細畝のコーデュロイには自然な艶がある。
触れると柔らかくて、それでいて結構品がある感じです。
長い時間を経てきた生地のはずなのに古びた印象はなく、むしろ今の服にもそのまま使えそうな新鮮さがある。
個人的には、これでジャケットやパンツを作ってセットアップにしたらさぞ格好よかっただろうな….と想像してしまうくらい魅力のある生地です。
デッドストックなので量が限られていたのかもしれません。
服を作るほどは残っていなかったのか、あるいは展示会(春夏展)のタイミングも関係していたのかもしれません。
そんな事情もあって、この生地はバッグとして使われることになったのだと思いますが、結果としてとてもいい落としどころだと思いました。
無骨な見た目と丁寧な仕事
名前は『Postal Sling』。
イギリスのロイヤルメールの郵便バッグから着想を得たショルダーバッグです。
コットンキャンバス製のウェビングストラップに、ガンメタルカラーのバックル、フラップはスナップボタンで開閉し、その補強にはレザーが使われています。
内側のジッパーには未染色のナチュラルレザーの引き手。
どちらも使っていくうちに色が深くなり、バッグ全体の雰囲気にも馴染んでいくはずです。
ボトムにはHALLEY STEVENSONSのドライワックスコットン。
『Rye Parka』と同じ生地です。
柔らかなコーデュロイと、少し無骨なワックスコットン。
その組み合わせも、このバッグの面白いところだと思います。
コーディネートのしやすさ
そして当たり前なんですが、これまで紹介してきたRye Parka、Field Shirt、Farmer Shirtと合わせると、とても自然にかっこいい。
派手さがあるわけではないのに、なぜか目を引く。
そんなコーディネートになります。
Frank LederやQUILPの服を着るとき、バッグ選びは意外と難しいものです。
ナイロンのスポーツバッグだと軽すぎるし、レザーバッグだと少し強すぎる。
クラシックなショルダーバッグもいいけれど、どこか新鮮さも欲しい。
その点、このバッグはちょうどいいんです。
革靴を履いている日でも持てるし、少しラフな格好でも違和感がない。
きれいにも使えるし、とても柔らかいので身体に沿うように落ち、見た目の大きさほどの圧迫感もありません。
ストラップが少し長めなのも、どこかインポートらしいバランスで好きなところです。
もし気になるなら、自分の好きな長さにカスタムしてしまってもいいと思います。
静かな存在感
装いの主役になるバッグではないかもしれません。
でも、着ている服のムードをもう一段階引き上げてくれる。
そんな力のあるバッグだと思います。
SCiENCEのParkaや、OLD TOWNのようなイギリスのレジェンドの服とも合わせてみたい。
歴史のある服とも、自然に馴染んでくれる鞄だと思います。
こういう守備範囲の広い鞄がひとつあると、出かける時の悩みが一つ減ります。

















