落ち着いた顔の奥のひとクセ
HOPPER’S BRUNCHの『Motorcycle Trousers』は、見た目の静けさに反して、ディテールを動かしたときの変化がとても面白い一本です。
ぱっと見は落ち着いたトラウザーズなのに、ボタンを外したときのギャップが思わず目を引く。
控えめな佇まいの中に、そっと遊び心が仕込まれている——そんな魅力があります。
ルーツを整え直した“今”の形
もとになっているのはフランス軍のモーターサイクルパンツ。
フロントに覆いかぶさるエプロン状の構造や、膝下まで二重になる実用的な作りはそのままに、余計な重さだけをそぎ落とし、いまの装いに自然と馴染むバランスへ整えられています。
穿くとストンと落ちて丈の収まりもよく、力みのないまま抜けのある雰囲気が生まれる。
その軽やかさと品のよさがまず嬉しいポイントです。
静かな上質さを支える二つの素材
素材の選び方にも、HOPPER’S BRUNCHらしいひねりがあります。
SUPER120’sのウールツイルは、スーツ地ならではのしなやかさがあり、光の加減でほのかに艶が浮かぶ滑らかな表情。
モヘア混のチェックウールポプリンは、さらりとした触り心地に落ち着いたチェックが重なり、どこかクラシックな空気をまといます。
どちらの生地も丁寧なつくりで、モーターサイクル由来の構造と合わさることで、自然と深みを感じさせてくれます。
エプロンがつくる三つの表情
エプロン部分の扱い方で、印象が大きく変わるのもこのパンツの楽しさです。
上まで留めて穿けば、生地の落ち感がそのままきれいに出て端正な佇まいに。
片側だけボタンを外すと、エプロンが軽くめくれて程よいアクセントに。
そしてすべて下ろして穿けば、思わず“おっ”と感じる大胆な表情が生まれる。
三つの表情があることで、真面目にも気軽にも、そして少しひねりを加えたい日にも柔軟に応えてくれます。
静と動のあいだを行き来できる一本
全体は品よくまとまっていながら、穿き方ひとつで雰囲気を変えられる余地がある。
その“振れ幅”こそ、このパンツの面白さです。
きちんと見せたい日も、気分を切り替えたい瞬間も、一本でその変化を素直に受け止めてくれる。
そんな頼もしさのある一本です。


























