時間を超えて映える存在
時間を経てなお色褪せないものには、独特の空気があります。
このオーバージャケットもそのひとつ。
どこか懐かしいのに古びて見えず、いま袖を通すことで新しい景色を見せてくれます。
ボックスシルエットの安心感
形はボックスシルエット。
ブルゾン丈で、すとんと落ちる直線的な輪郭。
けれど肩や身幅に適度な余裕があり、窮屈さはありません。
羽織るだけで自然と馴染み、きちんと感とリラックス感を同時に手に入れられる仕立てです。
奥行きを感じるチェック生地
素材はデッドストックのコットンウール。
まるで古い油絵のように、視覚的な奥行きを持つチェック柄が印象的です。
ざっくりと撚られたコットン糸の確かな重みと、ウールの軽やかさが交わり、見た目の重厚さとは裏腹にシャツのような軽快さを感じさせる。
グリーンやネイビー、ブラウンが織りなす格子には糸の太さや撚りの違いによる濃淡があり、光の当たり方で豊かな表情を見せてくれます。
ウール混でありながらチクチク感はほとんどなく、安心して素肌に近いところでも楽しめる仕上がりです。
実用性とすっきりした佇まい
ディテールには『引き算の美学』が効いています。
実用的なサイドポケットを備えつつ、胸ポケットはあえてパッチにせず両玉縁に。
そこに大きめのアンティーク調ボタンがほどよいリズムを添え、主役であるチェック柄を最大限に引き立てています。
幅広い着こなしの自由度
カーディガンのように軽く羽織ることも、襟を立ててジージャンのように着こなすこともできる。
渋みと愛嬌、その相反する要素を同時に抱えながら、着る人のスタイルに奥行きを与える。
単なる一枚のジャケットではなく、自分の装いに“余白と深み”を足してくれる存在です。