バンドカラーシャツ
襟なしのシャツが好きすぎて、うちの店のシャツの3分の2は襟がありません。
着た事のない方やあまりこの形が好きでない方からしたら、置いているシャツの半分以上が興味の対象から外れることとなります。
まさに偏愛。
一般的なシャツよりもリラックス感がありながら、きちんと感もある。
大人が普段着、もしくは休日に着る服として取り入れるには最適ではないかと個人的にずっと思ってます。
昨年何年振りかわからないくらい久しぶりにポストからバンドカラーシャツがリリースされ、オックスの生地とデニムをセレクトしました。
両方とも一瞬でなくなってしまったので、今回は4種類の生地でたくさんオーダーしてます。
【#1203 Band Collar Shirt】
1993年にデビューしたポストオーバーオールズ最初のシャツ品番 #1201 No.1 Shirt。
これは、およそ100年前のワークシャツがベースになっていて、袖口やヨーク(肩から背中の切り替え部分)のギャザー等、その当時のアメリカではポピュラーであったディテールを持ちながら、『その時代にありそうで、ない・・・』というポストのコンセプトを体現したようなシャツです。しかもプルオーバー。
#1203はそのバンドカラーバージョン。
3番目のシャツ品番です。
フィット感はプルオーバーってのもあってか、かなりゆったりしてます。
でも昨今のオーバーサイズのとかではなく、『30年前からそうだった』フィットです。
今回は4つも生地をセレクトしたので、サクッと生地紹介していきます。
【Grey Covert Salt & Pepper】
Salt & Pepperやブラックシャンブレーと呼ばれるこちらの生地。フレンチのカバーオールやイギリスのハンティングジャケット、スイス軍の迷彩など、いろんな素材を使ったバリエーションがありますが、今回は春のコートで使われていた色味に近い、コットン100%のキチンと『塩』感のある比較的濃いめな良い色です。
【Classic Chambray】
ポストのワークシャツと言えば、な生地です。歴史があります。
インディゴの糸と生成りの糸の平織りから成る霜降り状のムラのある生地は、とても美しく、自然で軽やか。
年中着まわせる汎用性の高さと、洗いざらしに袖を通すときの気持ち良さは4種類の中でも随一。
着込んで行くと奥行きのある味わい深いムードが出ます。
【Cotton Cords】
インディゴ染めされたコットン100%のドライタッチなハリ、コシのある生地です。
納品前に洗いと低温の乾燥機にかけられているので、インディゴ特有の色ムラやひび割れたようなあたり、パッカリングがすでに出てきていて、袖口やヨークの寄せのムードもとても良く、ビンテージ感溢れる仕上がりになっています。
着用を繰り返すとこで変わっていく表情の変化も見逃せない美しい色のシャツです。
【Light Denim】
デニムと言ってもゴワゴワした厚手な感じではなく、しなやかで柔らかい。シャツにもってこいな生地の厚みです。
横糸がくすんだベージュなので、爽やかな感じがなく、渋めなムード。
素晴らしい経年変化が期待できるシャツ
どれもガシガシと着込んでいくごとに味わいが深まり、体に馴染んでいく感覚を経年変化として楽しんでもらえること間違いなし。
ちなみにこちらのシャツには、薄いベージュ地に淡いグリーンのシルク製の特製織りラベルが付くのですが、洗いを繰り返すことによって織りラベルが少しずつ劣化していき、きっと外れます。
ブランドネームが取れて匿名性が出てくると、その服の本質的な良さが際立ってきます。
スタイリングももちろん大事ですが、僕はプロダクトで勝負しているブランドが好きです。