No.1 Five Pocket
2000年頃にデビューした、Post O`Alls初期の定番5ポケットパンツ『No.1 Five Pocket』。
デザイナーの大淵さんは、昔からリーバイスの501ばかり穿いていたので、90年代初頭のブランド設立当初 Post O’Allsのラインナップには5ポケットパンツが存在しませんでした。
5ポケットはLevi’sやLeeに任せておけば良いという気持ちだった事と、当時の時代背景的にも、Levi’s等のビンテージデニムの価値を知る人がまだまだ少なかったので、ニューヨークでは今よりも簡単に手に入る環境にあったからだそうです。
その後の古着ブームを経て、501を取り巻く環境も大きく変わった頃にリリースされたのが『No.1 Five Pocket』。
大人のゆとり、バギーフィット
元々はビンテージのLevi’s 501の中でも太めのサンプルをベースに、さらに太めにアレンジしたバギーフィットモデルでしたが、20年ぶりの復活では、よりバギーなムードにアップデートされています。
過去にリリースしたモデルがまた新たなムードを吹き込まれ、次の時代にフィットしていくというPost O’Allsの伝統に則った今回のリミテッドリリース『No.1 Five Pocket』。
しかも個人的に大好物であるBlack Denimとあらばオーダーしないわけにはいかんでしょう。
最近ではHOPPER’S BRUNCHのデニムを買うまで10年以上遠ざかっていた5ポケットですが、ポストのGパンは今でもたくさん持っています。
No.1、No.4、No.6、No.7 。
フィットやステッチの色、リベットの有る無しやポケットの形の違い等、ポストらしい着眼点『ビンテージデニムのここがこうなっていたら‥‥』をその時のムードで表現していく。
そして、毎シーズン作って欲しいけど、無い。といった、古着と向き合う時のような即断力を求められるのもある意味ポストの魅力です。
グッと締まる印象『チャコールステッチ』
今回の限定リリースでは、Gジャン、Gパン共に、ステッチ(縫製系)の色が『チャコール』。これは実にポストらしい意匠で、イエローやオレンジ、オーカー(黄土色)のステッチの物と比べると、グッと印象が引き締まります。
ワークシャツと組んでも適度な節度を保ち、ジャケットスタイルのキメすぎないパンツの選択肢としてもかなり有効な一本になります。
色調が近いモノトーンの経年変化は、色落ちしていっても合わせるものを選ばず、低彩度の色と組めば都会的な印象に、高彩度の色と組めばイキイキとした色を際立たせてくれます。
絶妙なシルエット
先にオリジナルのNo.1 Five Pocketよりもバギーなフィットにアップデートしてますと書きましたが、ただ単に『太く』した訳ではありません。
軍チノ等のワイドパンツとは違い『バギー』は、袋のようにお尻周りの分量をたっぷりと取り、腰から裾までのストレートラインが特徴的なパンツです。
僕はMサイズでちょうど良かったのですが、ウエストは気持ちハイウエスト、お尻のラインを拾わず、裾までストンと落ちる絶妙なシルエットでした。
まだまだテーパードの効いた少し短め丈感が人気の業界において、あえてリミテッドで投入するバギージーンズ。
リラックスした穿き心地と大人の節度。
ありそうで、無い。こんなGパンは。