WILDE JAGD
ドイツやオーストリアをはじめとするヨーロッパのいくつかの地域に伝わる伝承物語、『WILDE JAGD(Wild Hunt)』 と 『RAUNÄCHTE』。
伝説上の猟師の男たち(WILDE JAGD)が、一年のうちの特別な夜(RAUNÄCHTE)に大挙して田舎を歩き回ると言われていました。
その日、田舎では洗濯物を外に干してはいけないという言い伝えがあり、そうしないとWILDE JAGDの男たちがそれにより立ち往生する可能性があって、そうなると村の民に怒りをぶつけ、彼らから呪われると伝えられていたからです。
Triple Washed Thin Cotton Old Style Stand Collar Shirt
そんなストーリーからインスピレーションを受けて展開された今回のカプセルコレクション。
大好きなオールドスタイルのスタンドカラーシャツをセレクトしました。
使われた生地は『Triple Washed Thin Cotton』。
薄手でハリのある生地を染めながら3回洗いをかけ、鞣した革のような表情を持つ独特の生地に仕上げています。
薄紙のような儚げな雰囲気ですが、適度なシャリ感とハリがあり、柔らかく軽い。
乾きも早いので、これからの長い夏にも快適な素材です。
暗い夜(Dark Blue)と,火を灯した暖炉(Red/Orange)を混ぜたような、ややグレイッシュなパープルの色味がとても良く、染めと洗いを繰り返すことで生まれる奥行きのある色がとっても好きです。
何色か選べましたが、僕は一択、『Puple』のみ、SとMの展開です。
ドイツの伝統を大事にするフランクならではの付属品
全てのシャツにヴィンテージの木製洗濯ばさみが2つ付いてきて、専用の小さなポケットに入っています。
そのポケットの下には、南ドイツ/オーストリアの田舎の方言で、「WILDE JAGD/RAUNÄCHTE」に関する短いことわざや詩が書かれた織ラベルが付いてきます。
In de Raunächte, wenn der Nebel steigt, reitet de wilde Jaga, wie der Teufel geigt. Halt die bedeckt, sei leis und klug,sonst zählt die Jaga di zu ihrem Zug.
『霧が立ちこめる荒れた夜(RAUNÄCHTE)、WILDE JAGDは悪魔の歌のように走る。
身を隠し、一人で静かに賢明に。
さもないとWILDE JAGDから仲間に引き入れられるだろう』
少しダークな印象を受ける今回のストーリーですが、一説にはクリスマスに現れるサンタクロースの元ネタだという学者さんもいたりで、ヨーロッパではわりと知っている人も多いお話だそうです。
ドイツの歴史や文化を深くリスペクトしているフランクならではのコレクション。
あまり出てこない色のニュアンスも含めて、スタンドカラー好きには特にたまらないシャツです。