熊ジャン
1930年代から50年代のアメリカで流行したスポーツジャケット(今で言う所のカジュアルジャケット!?)にGrizzly Jacketという馬革とムートン(毛付きの羊の革)で作られた革ジャンがあります。
今やビンテージショップでもあまり見なくなりましたが、今から18年ほど前、僕が古着屋で働いていた頃のBOSSがGrizzly Jacket(通称熊ジャン)を着ていて、その厳つさとかっこよさに痺れた記憶があります。
時を経て、最高の着心地と肌触り、厳つさのかけらも無い素敵な熊ジャンを仕入れることができました。
FilMelange 渾身の作品がこちら『HOLLAND』
オリジナルでは馬革の部分に、オーストラリア南部で育った上質なラムウールを使用して編みたてた生地を縮絨し毛玉加工を施して､完成させた天然繊維100％のフリース(メルトン)を採用。
ムートンの部分には、1950〜60年代の古い編み機でゆっくり時間をかけて編み上げたフィルメランジェオリジナルの毛足の長いボアを配置することによって、熊ジャンの見た目とオリジナルではあり得ない軽さと着心地を達成しました。
石油由来に頼らないこだわり
現在作られているボアやフリース素材の商品のほとんどがアクリルやポリエステルなどの石油由来の化学繊維を使用して作られています。
今や化学繊維は私たちの生活に欠かせないものとなっており、まったく使用しないことは難しいのが現状です。
だから使用しないのではなく、使わなくてもよいものには極力使用しない。
そんな思いでフィルメランジェが長年作り続けてきたのが、この天然繊維100%のメリノウールを使用した素材です。
天然の優れた防臭機能
メリノウールは天然素材で免疫機能を持っているため、それ自体が防臭力を持っています。
人間は細菌が体内に侵入すると、免疫が働きこれを無害化します。
同じようにメリノウールはニオイの原因となる細菌を抑制してくれるので、不快なニオイを防げるのです。
通気性も抜群
羊は1年を通じて羊毛でフサフサですが、夏も普通に過ごしています。
それは羊毛の通気性が抜群だからです。
この特性はメリノウール製品にも備わっており、秋冬はもちろんですが夏に着ても快適なのです。
メリノウールは吸湿性が高く、汗を素早く吸収・発散して、このとき汗とともに余分な熱も放出されます。
保温性に優れていると聞くと暑いのではと思われるかもしれせんが、服の中の蒸れを防いでくれるので、快適なのです。
二重構造であったか
HOLLANDは主にフリースで構成されていますが、ボア部分はフリースの上から付けられているので二重構造。
ボアにはしっかりとした保温力があり、多色の糸を使用しているので光の当たり方で色目が変わる絶妙なコントラストが表現されています。
何年も着込んだフリースのような質感も良いですね〜。
袖口にもボアが内蔵されており、折り返して着ても暖かみがある雰囲気が出て良いです。
あれやこれや合わせやすい
身幅はたっぷり取られているわけではないのですが、生地自体の適度な伸縮性によりストレスのない着心地と、隙間ができにくいので保温力もバッチリ。
良い感じにシャツが出てくれる腰丈くらいの着丈は、バランスがとりやすく車を運転される方にも良さそう。
硬いけど育てる楽しみか、柔らかくリラックスして着れるか
レザージャケットには、圧倒的な迫力と育てる楽しみがありますが、フィルメランジェの熊ジャンには、心をほっこりさせてくれる着心地とムード、天然素材ならではの数々の優れた機能があります。
コートでもジャケットでもない。
立ち位置が特殊な冬のアウターなので、天邪鬼な大人がサラッと着こなすのがお勧めです。
