説明
文字だけで、成立する
文字しかないのに、妙に格好いい。
GARDEN
DRESS
UNIFORM
胸の真ん中に、三段。
絵もなければ、気の利いたイラストもない。
かなり大きな文字なのに、うるさくもない。
この大きさ、この書体、この配置。
今回このTシャツを仕入れた理由は、まず単純にそこでした。
プリントTって、グラフィックの意味が面白くても、着るとなると少し違うことがあります。
逆に、何も考えず見た瞬間に「これ、いいな」と思えるものもある。
これは完全に後者でした。
Battleではなく、Garden
そして、その胸に大きく書かれている言葉の意味を知ると、さらにSASSAFRASらしい。
『G.D.U.』とは、
GARDEN DRESS UNIFORM。
SASSAFRASが作ったオリジナルの言葉です。
その元にあるのは、アメリカ軍の『B.D.U.』。
Battle Dress Uniform、いわゆる戦闘服を意味する言葉です。
BattleをGardenに置き換えて、
Battle Dress Uniformから、Garden Dress Uniformへ。
戦うための服を、庭で働くための服へ読み替える。
この解釈が、僕はすごく好きです。
とてもSASSAFRASらしいし、なんだか平和です。
そもそもSASSAFRASは、ミリタリーやワークウェアをベースにしながら、それをガーデニングのための服として作り変えてきたブランドです。
軍服に付いていたポケットも、彼らにとっては武器や弾薬を入れるためのものではなく、剪定鋏や道具を入れるためのものになる。
元の用途や背景を消してしまうのではなく、使う人と目的を変えることで、服の意味まで変えてしまう。
そう考えるとG.D.U.という言葉は、洒落たネーミングというだけではなく、このブランドそのものをかなり端的に表しているように思います。
内側にあったものを、表へ
これまでG.D.U.のシャツジャケットやパンツは何度か仕入れてきました。
そこでは、ポケットの配置や収納量、動きやすさといった服の作りそのものに、G.D.U.の考え方が落とし込まれていた。
でも今回は違います。
胸の真ん中に、
GARDEN
DRESS
UNIFORM
と、かなり大きく入る。
これまで服の作りの中にあったG.D.U.が、今回はそのまま表に出てきた。
そんな一枚です。
しかも、その見せ方がすごくいい。
もっと小さければ普通のロゴTになりそうですし、もう少し大きかったり、書体が違ったりすれば、途端に主張が強くなりすぎる。
かなりの面積を占めているのに、プリントだけが前に出すぎない。
グラフィックらしいグラフィックは何もない。
ただ文字だけ。
なのに、ちゃんと一枚のデザインになっています。
強い文字に、鈍い色
そして、これだけ文字が大きいからこそ、ボディの色によって見え方がかなり変わるのも面白いところです。
WHITEは、白地に黒文字。
一番ストレートで、GARDEN DRESS UNIFORMという言葉そのものがはっきり見える。
一方のORANGEは、表記こそORANGEですが、いわゆる明るいオレンジというより、少し褪せたレンガ色、Brickに近い見え方です。
普段はあまり触ってこなかった色ですが、この鈍さはすごく良かった。
黒い文字との組み合わせも含めて、かなり好きな色です。
これがもっと鮮やかなオレンジだったら、この大きな文字とぶつかっていたかもしれません。
少し褪せたような色だからこそ、プリントの強さもいい具合に馴染んで見えます。
そして、プリントがここまで大きいのに着やすく見えるのは、ボディ自体がとても素直だからだと思います。
使われているのは、Single Yarn Cottonの天竺。
洗いがかけられているので、新品らしいパキッとした硬さはなく、最初から少し馴染んだような柔らかなタッチです。
脇には縫い目がなく、ネックのリブもやや細め。
プリントにはかなり存在感がありますが、Tシャツそのものには余計なクセをつけていない。
だから一枚で着ても文字だけが浮かないですし、シャツやジャケットの中に入れた時にも収まりがいい。
文字そのもので着る、G.D.U.
とはいえ、このTシャツについて、生地がどうとか、縫製がどうとか、それだけで終わらせるのは少しもったいない。
B.D.U.をG.D.U.へ。
Battleではなく、Garden。
戦うための服を、庭で働くための服へ読み替える。
そして、これまで服の作りの中で表現してきたG.D.U.を、今回はそのまま胸いっぱいに見せる。
GARDEN DRESS UNIFORM。
SASSAFRASが服の作りで表現してきたことを、今回は文字そのもので着るTシャツです。