2025.9.2.
nakamura shoes T-01 Oiled Velour
先日ご紹介したモデルに加え、この秋冬用に履きたいなと思っていた形を、ようやく形にできました。
nakamura shoesのラインナップの中でも定番的な存在である『T-01』を、オイルドベロアレザーで仕立てた一足です。
うちでは初めての展開となります。
シルエットは、丸みのあるトゥとTストラップの組み合わせが生み出す独特の佇まい。
どこか懐かしいようでいて、新鮮な印象を与えてくれます。
ベルトは一度長さを調整すれば、あとはスナップボタンで簡単に脱ぎ履きできる仕様。
日々の生活に寄り添う使いやすさと、無駄のない機能美が共存しています。
中も黒で統一することで、全体の雰囲気を引き締めました。
素材に選んだオイルドベロアレザーは、銀面を軽く起毛させたベロアにオイルをしっかり浸透させた革。
起毛革ならではの柔らかな手触りに加え、オイルによってしっとりとした質感と耐久性が備わっています。
表面には光を吸い込むようなマットな深みがありながら、履き込むほどに擦れや曲げの部分に艶が浮かび、陰影が豊かに変化していきます。
防水性や撥油性にも優れ、秋冬の気候にもしっかり応えてくれる頼もしさも魅力です。
スタイリングの幅も広く、着古した軍パンのような無骨なワークパンツに合わせれば素直に馴染み、ウールのスラックスに合わせれば一気にシックな雰囲気へ。
裸足やローファーソックスで軽快に履いてもいいし、ビビッドな色のソックスで遊んでも面白い。
逆に杢のウールソックスを合わせれば、穏やかで落ち着いた表情に。
足元の選び方ひとつで、印象ががらりと変わる靴です。
ビルケンシュトックのあの雰囲気は好きだけど、硬さやフットベッドがどうも自分に合わない……そんな方にも試していただきたい一足です。
見た目は素朴で落ち着いているのに、履き心地は驚くほど快適。
軽やかで実用的、それでいて育てる楽しみを秘めた革靴は、ありそうでなかなか出会えません。
今回のオーダーも、中村さんらしい誠実なものづくりがしっかりと息づいています。
使い込むほどに深みを増す革とともに、秋冬の装いを静かに支えてくれる。
そんな一足に仕上がりました。
25.5cm、26cm、26.5cm、28cm、28.5cmが入荷してます。