静けさの中に、芯のある美しさ。
僕がセレクトするJill Platnerのジュエリーは、着飾るためのものではありません。
日々の暮らしにすっと馴染み、気づけば、その人の記憶や時間を刻んで、かけがえのないものになっていく。
そんな、静かなお守りのような存在です。
今回ご紹介するのは『Birdbone Necklace』と『Thistle Bracelet』。
自然を想わせるフォルムと、ストレスのない付け心地、そして、いつでもどこでも身につけていられるという信頼感。
華やかではないけれど、時間とともに自分になじんでいく。
そんな不思議な力を持っています。
自然に学んだ、美しさのかたち
Birdbone Necklaceは、海辺で拾った鳥の骨のかたちから着想を得た、無垢のシルバーパーツが連なるネックレス。
波にもまれ、砂に磨かれて、角を失った骨のように、鋭さのない曲線がやさしく重なり合っています。
自然の時間がゆっくりとかたちづくったような、静かな美しさをたたえた作品です。
鎖骨と鎖骨のあいだを、スッと落ちるような直線的なフォルム。
あえて身体に添いすぎない潔さが、身につけた人の存在そのものを引き立ててくれます。
男性がつければ、芯のある力強さを。
女性がつければ、やわらかさの奥に宿る静かな強さを。
不思議と、その人の本質を映し出すようなニュアンスが生まれます。
シャツの襟元にさりげなく差しても、一枚のTシャツに潔く合わせても◎。
余計な演出をせずとも成立するデザイン。
シルバーの冷たさではなく、むしろ温度を感じさせるあたりも、ジル プラットナーならではの魅力です。
棘のかたちの、美しい構造体
『Thistle Bracelet』は、その名の通り「アザミ(Thistle)」の棘の形を思わせる、小さなシルバーパーツが連なるブレスレット。
植物の持つしなやかさと、自然界の鋭さを併せ持つ造形が、手元にさりげない存在感をもたらします。
ひとつひとつの形はすっと伸びていて、連なりには規則性がありますが、その先端はどれも、ふっと力を抜いたように丸みを帯びていて、触れても痛くない。
かたちとしては“棘”なのに、とげとげしくない。
整っているのに、どこかやさしい。
そんなちいさな矛盾が、肌の上でそっと揺れて、心をくすぐります。
モチーフのあいだに生まれる余白からは、肌のトーンがうっすらと覗き、重ね付けもしやすい設計。
もちろん、ひとつだけでも静かに力強い存在感を放ちます。
ジュエリーに不慣れな方や、じゃらじゃらと着けるのが苦手な方にもおすすめです。
水にも風にも、時間にも強い
ジル・プラットナーのジュエリーは、すべてニューヨーク・ソーホーのアトリエで、熟練の職人の手によって制作されています。
素材にはスターリングシルバーを採用。時を重ねるごとに深まる艶が、自分だけの風合いへと育っていきます。
そして何より特筆すべきは、ジュエリーを編み上げる糸に使用されている、GORE-TEX®で知られるゴア社の高性能縫製糸『Tenara(テナラ)』。
紫外線や塩水に強く、伸びや変形がなく、海にもシャワーにもそのまま入れるほどの耐久性を持ちます。
ジル本人も「このまま海に潜る」と語っており、その実用性は、日常の中での安心感へとつながっています。
目立たないところにこそ、思想と誠実さが宿る。
それが、ジル・プラットナーのものづくりです。
自然体で、美しく
『Birdbone Necklace』は、Tシャツ、リネンシャツ、ワンピース、ニットなど、どんな装いにも不思議と馴染みます。
素肌に沿わせても、タートルの上から着けても◎。
『Thistle Bracelet』もまた、スタイルや性別を問わず使えるユニバーサルなデザイン。
ジルの他のジュエリーと重ねても、一点で完結しても成立する、包容力のある一本です。
どちらも、派手に主張することはなく、それでいて一目で印象に残る。
不思議な引力を備えています。
所有する悦びは、時とともに育っていく
これは、見せびらかすためのジュエリーではありません。
むしろ『いつでも、どこでも、当たり前のように身につけていられる』ことに、最大の価値があります。
擦れても、くすんでも、それもまた美しさの一部。
生活とともに変化していくからこそ、やがてそれは、かけがえのない『自分の一部』になっていくのです。
Jill Platnerの作品には、自然への敬意と、人とモノとの健やかな関係を育てようとする意志が息づいています。
自然を愛し、丁寧に暮らしたいと願う人にこそ、ぜひ手に取っていただきたい。
そんな想いを込めて、おすすめします。
Jill Platnerの作品はオンラインショップの掲載ができないので、何か不明な点がありましたら、お気軽にお問い合わせください。