計算された太さと、絶妙な丈感。
武骨なはずなのに、どこか上品さすらある。
HOPPER’S BRUNCHがつくる『HB-2483 Over Trousers』は、『軍パン』という言葉から想像されがちな、あの重たく泥臭いイメージを、軽やかに裏切ってきます。
デザインベースはアメリカ軍の名作M-65と、オーバーパンツ(防寒や防水のためにズボンの上から穿くズボン)。
ウエストもヒップもゆとりのあるオーバーサイズドなシルエットですが、レングスは短めの『SHORT丈』。でも表記はLONG(ややこしくてすみません)。
背が高くなくても、脚が長くなくても、自然とすっと穿ける、見事なバランスです。
裾に向かってややテーパードしつつも、絞りすぎない広めの裾幅が、ミリタリーにありがちな野暮ったさを払拭しています。
両サイドのカーゴポケットを思い切って省略し、バックポケットもあえてひとつだけに。
その潔いまでの引き算が、むしろデザインの緊張感を引き立たせ、洗練された都会的なムードをただよわせています。
汎用性の高いコットンナイロン
素材はコットン80%・ナイロン20%の混紡。
薄手ながらハリがあり、シャリ感のあるドライなタッチ。
通気性に優れ、夏場も蒸れにくく、さらっと穿けるのが魅力です。
コットンの柔らかさとナイロンの耐久性、それぞれの良さがバランスよく活きた、シーズンレスで頼れる一本。
カラーは2色展開。
穏やかで優しい、コクのあるベージュ
汎用性と深みを兼ね備えた、落ち着きあるネイビー。
どちらも『軍パン』にありがちな土臭さを排し、品のあるコーディネートにも自然と馴染みます。
ディテールに対する細やかな気配り
裾にはドローコードが付き、スニーカーともレザーシューズとも好相性。
COBRAX社のスナップボタン、ririのジップ、コードには上品なウルトラスエード。
細部の作り込みが、軍パンというカテゴリの『格』を一段引き上げています。
膝には可動域を確保するダーツ入り。
コードや縫製仕様も、見た目の美しさと機能性を両立。
内側にあしらわれたパイピングは、穿く人にしかわからないささやかなこだわりですが、こうしたディテールに宿る『服への信頼感』こそが、日々の気分を左右するのだと思います。
ワードローブに一本あれば、自然と手が伸びる。
レザーシューズにシャツで街に出る日にも、ドローコードを絞ってスニーカーとTシャツで過ごす休日にも。
どちらにもすっと馴染みながら、自分らしい存在感をしっかり放つ。
何かに合わせるための服ではなく、このパンツを中心にコーディネートを組みたくなる。そんな不思議な引力があります。
ミリタリーが持つ『道具としての合理性』を、現代の生活に寄り添うかたちで丁寧に再編集した一本。
本来はライナーの上から重ね穿きされていた『オーバーパンツ』という出自を感じさせながらも、都市生活にすっと馴染むバランス感。
『軍物の名残』というより、『道具としての美』を体現した一本です。
武骨さを削ぎ落とした分だけ、品と洗練が宿る。
機能性をそのままに、現代性と自由度を増した一本。
暮らしの定番
このパンツが似合うのは、ミリタリーに詳しい人でなくていい。
ただ、自分の着るものに『ストーリー』と『信頼』を求める人にこそ、手に取ってほしいんです。
実用性はそのままに『今、穿きたい』と思える美意識が詰まっています。
「昔から軍パンが好き」という方にも、「気になるけどデラックスな感じはちょっと……」という方にも、ぜひ一度試してほしい一本です。
たとえば、朝の支度中に自然と手が伸びる。
たとえば、旅先で気づけば一番活躍してくれている。
そんな、『暮らしの定番』になる未来が、はっきりと想像できるはずです。