どこからきて、どこへ行くのか。
世界中から集められた『原始的な断片(primitive fragment)』たち。
これは、Deserticデザイナー平武朗さんの感性が導いた、唯一無二のラグです。
使われているのは、50〜80年代のデッドストックのニットのみ。
誰にも袖を通されることのなかったセーターたちが、今、住まいの中で再び命を吹き込まれます。
糸の太さも編み柄もまちまち。
どれも『誰か』のために、長い時間をかけて丁寧に編まれたもの。
その断片を、平さんが一枚一枚デザインとしてレイアウトし、絶妙な違和感を織り交ぜながら、美しい調和へと昇華していきます。
たとえば、スポーツクラブのチームセーター。
あるいは、色が鮮やかすぎて、着るにはちょっと勇気がいるような柄物。
そうした『行き場をなくしていた美しさ』が、壁に飾れるアートとして、日常の床を彩る実用品として生まれ変わりました。
直径は約1m。ほぼ円形。
その中心から縁に向かって、5mm刻みでぐるぐると縫い込まれたステッチは、専門のレザーミシンで職人さんが気の遠くなるような時間をかけて仕上げたもの。
もはやアートであり、民芸であり、クラフトでもある。
これほどまでに『想い』が詰まったラグが、果たして世の中にどれほどあるでしょうか。
しかもこのラグ、洗えます。
ウールコースでやさしく洗い、自然乾燥させれば、ふわっと膨らみ、さらに表情を深めていきます。
洗うごとに糸が馴染み、風合いが育ち、ラグとしての魅力が増していく。
踏むのがもったいない、と思う人もいるかもしれません。
そういう方は、ぜひ壁に飾ってください。アートとして、また違う表情で空間に存在してくれます。
このラグに宿る価値は、単なる『モノ』としての機能や装飾ではありません。
それを持つ人の感性や価値観を映す鏡であり、部屋という『場』に静かに作用する力でもあります。
明るく、楽しく、そして少し懐かしい。
部屋に敷くと、不思議と心が前向きになる。
そんな『効能』すら感じさせる存在です。
完璧に整っていないからこそ感じられる『違和感』。
その違和感が、他のどこにもない魅力になっている。
deserticが目指すのは、そんな『どこでもない国の民族衣装』のようなものづくり。
このラグは、まさにその思想の結晶のひとつです。
あなたの暮らしに、一点ものの物語を。