【31年目のカバーオールの頂点】
Post O’Allsの2番目のカバーオール品番 #1102 Enginee’s Jacket。
当時、1930年代スタイルの4ポケットのデラックスなカバーオールの頂点を目指してデザインされました。
機能的にもムード的にも、スタンダードなカバーオールの一つの完成形となっています。
最近では、ポストのフレンチアメリカンなワークジャケットが個人的にツボすぎて、その辺りを中心にセレクトしていたのですが、今季は久しぶりにベーシックなカバーオールが着たい気分が高まってきたので、カバーオールの大本命ブランドから『ナイロンタフタ』という変化球素材を一本釣りしました笑。
Crinkle Nylon Taffeta
このシワ加工を施したクリンクルナイロンタフタは、重ね着が好きな人が着るとやみつきになってしまう素材で、ポストでは2000年代後半から採用されている生地です。
Tシャツの上に軽い羽織物として着たり、シャツやスウェット、ニットなどとのベーシックな合わせや、内張りされていない一枚物のウールコートのインナーとしてウインドブロックの役割を追加したい時など、かなりマルチな活躍が期待できる優れもの。
シャリっとした質感と少しメタリックなムード。
光沢感は抑えられているので都会的でクリーンな印象となっています。
軽さや撥水性、防風性などの、ナイロンのもつ生地の特性が、#1102の持つデラックスなカバーオールの性能をより高めてくれる生地の設定はポストならではです。
デニムやダック、キャンバスのような天然素材を使ったカバーオールのような、特有の摩擦によって出てくる経年変化はありませんが、ナイロンという素材に縫製でパッカリングを表現する。着込んだ感を出す技術は、他が真似できないポストだけのものだと思います。
#1102 Engineer’s Jacke
さて、ここで改めて#1102 Engineer’s Jacketのディテールを解剖してみたいと思います。
元々のベースとなったのは、大淵さんの持つ1930年代のSURPER PAYDAYのカバーオール。
選び抜かれたディテールの数々
絶妙な高さの台襟とチンストラップ。
ウォッチチェーン用のキーホールとウォッチポケット、ペン差し。
動きやすいラグランスリーブとワークウェアらしいゆったりとしたフィット。
袖の調整がしやすい2ボタンのカフス。
胸にフラップ付きのポケット、内側に一つ、下側にもホームベース型のポケット。
異なる3色の裏糸を使ったトリプルステッチ。
主張しすぎない胸のブラックタグ。
などのディテールを丁寧にレイアウトし、各種装備の調整を施された、ポストオーバーオールズを象徴するジャケットです。
紆余曲折を経て原点回帰
この30年のうちに、台襟を外したり、無双仕立て(生地の二重取り)にしたり、胸ポケットのフラップを外したり、トリプルステッチをダブルに変更してみたりと実に色々な検証が行われてきましたが、やはり原点にして頂点。
#1102 Engineer’s Jacket はデビュー当時から変わらず、永遠を感じさせるデザインです。