Shetland Cowichan Sweater
とてつもなく発色の良いカウチンセーターがFilMelangeより届きました。
カウチンセーターといえば、カナダの先住民達が着ていた暖かいニットのワークウエアですが、今回フィルメランジェが使ったのは『シェットランドウール』。
Shetland Sheep
スコットランドの北に位置するシェットランド諸島原産のシェットランドシープからとれる高機能な『毛』です。
シェットランドシープドッグという、とても賢く、美しい毛並みをもつ牧羊犬が追いかけているのがシェットランドシープ。
過酷な環境に対応してきた羊
シェットランドシープは、厳しい冬の寒さや湿度の高い天候、それに海草を副食に採るなどの飼育環境によって、高い弾力性、耐久性を持ち、毛質が柔らかいのが特徴です。
厳しい環境に対応していくうちに体が小さくなっていき、繊維が細くなり、結果その毛はとても軽くて暖かく、ノンストレスなセーターを編むのに非常に適したウールになりました。
表面は程よくザラついた毛質が特徴なので、敏感肌の僕にはインポートの比較的安めなファクトリー系シェットランドウールのセーターだと、カリカリと皮膚に引っ掛かってチクチクしてしまうのですが、フィルメランジェのシェットランドウールは全然違います。
Slub Knit
糸の太さが不均一なスラブ糸と2色のシェットランドウールの糸を撚糸し編み立てたニットは生地表面に独特な凹凸が生まれ、味わい豊かな表情となります。
どこか懐かしい、奥行きのある色合いも良いですね〜。
シンプルなカウチンセーター
オリジナルのメランジジッパー(ジッパーの歯の色が杢のように変えてある)と、柔らかい印象のショールカラー、ポケット二つのシンプルなディテール配置ですが、フィットもゆる過ぎず着丈のバランスもいいので、とっても着やすい合わせやすい。
着方は自在
個人的には、タイプライタークロスのような高密度に織り上げられた目の詰まったシャツを下に着るのが好きですが、僕のユニフォームであるフランクのオールドスタイルシャツのような長い着丈を出すのも好きです。
キリッとした、風の冷たい寒い冬には、これくらいの温かみのある色のニットを着てお出かけするのが今季は良いよな〜。
小話
ちなみに、一説には、シェットランド出身の優れた編み手さんが、カナダのバンクーバー島に移住して、地元のカウチン族の女性達にセーターの編み方や羊毛の紡ぎ方を教えたことからカウチンセーターが生まれたって言う話もあります。
シェットランドシープを島から連れ出して、他の場所で育てると、環境が違うから毛の品質が落ちるらしいですよ。
※カウチン=「日の当たる暖かい土地」という意味