説明
伝統と自由の交差点
QUILP × LOCK & Co. Hattersのコラボレーションキャップ『JOYCE』。
いわゆるベースボールキャップなのに、なんかちょっと違うぞ、といういい意味での違和感。
主張は控えめ。でも、ちゃんと形が美しい。
このバランスは、やっぱり普通のキャップとは出どころが違います。
LOCK & CO. は、記録に残る限り現存する世界最古の帽子店。
1676年創業という数字だけ聞くと少し構えてしまいますが、このJOYCEはその歴史を誇示する方向には振れていません。
横に刺繍ロゴもないし、「Lock & Co.です」と主張する要素はほとんどない。
でも、被るとわかる。
やや深めなのに、頭の丸みに沿って描かれるアーチがとにかくきれいで、横から見たときも後ろ姿も、どこにも無理がない。
QUILPらしい細部までこだわった仕様
生地はインディゴ染めのチェック。
一見すると無地に近いほど深いネイビーですが、よく見ると奥にチェックの気配があって、光の当たり方で表情が変わります。
ベーシックなキャップのように気負わず被れるのに、どこか落ち着きがあるのは、この生地選びと色のトーンのおかげだと思います。
今はかなり濃い色ですが、被り込んでいくともう一段階、自然に色が抜けてくるはずで、それも間違いなく格好いい。
内側を覗くと、さりげなく仕込まれたキルティングのライニング。
見た目からは想像しにくいですが、これがあるだけで被った時の安定感と安心感がまったく違います。
つばの縁にはレザーのパイピング。
ボディとの色合わせも絶妙で、森下さんのセンスが静かに効いている部分です。
チェックの柄合わせも含めて、「当たり前のことを当たり前以上にやっている」仕事だなと感じます。
伝統と新たな感性
正直、僕自身はベースボールキャップのイメージはあまりないと思います。
実際、最近はほとんど被っていませんし、被っていると友人に「誰かわからなかった」と言われることもあります。
それでも、このキャップならいけるかもしれない、と思って仕入れました。
いかにもカジュアル、いかにもスポーツ、という方向に寄っていないからだと思います。
浅くないので、日本人の頭にも合いやすいですし、62cmのサイズも入れているので頭が大きめの方にも試してほしい。
帽子が苦手だったオープン当初からのお客さんにお届けできたのも、個人的には嬉しい出来事でした。
クラシックなベースボールキャップという型に、
世界でいちばん古い帽子店の技術と、QUILPの感覚が重なった一つの答え。
気負わず被れて、なんだか少し気分が上がる。
そんなキャップです。