説明
DAVIS Vol.1
白に帰っていくトラウザーズ
QUILPの『DAVIS』。
これ、正直ちょっとおかしいです。
いい意味で、かなり異常なパンツです。
もともとこの生地、白なんですよ。
しかもただの白じゃない。縦にも横にもムラが走ってる、かなり表情の強い白い生地。
それを顔料染めで黒くして、そのまま何年も、もしかしたら何十年も眠っていた。
それをロンドンで森下さんが見つけてきた。
ロールアップで覗く「裏側の本音」
普通だったら、この生地は“いじらない”と思うんです。
クセが強いから、変にデザインを足さずに、そのままの雰囲気で見せる。
むしろそれが一番安全だし、成立もしやすい。
でもQUILPは、そこからさらにねじってきます。
深いタックを入れた『DAVIS』に乗せる。
しかも去年より若干レングスを伸ばして。
これ、絶対に「折ってもいいですよ」っていう長さなんですよね。
というか、「折ったら面白いですよね?」っていう提案に近い。
だって裏、真っ白なんで。
穿いたときは落ち着いた黒。
でも少し折ると、急に白が出てくる。
しかもその白も、ただのきれいな白じゃなくて、ムラのある白。
この時点でもう、ちょっと他と違うんですけど、
本番はここからです。
持ち主の動きを刻む「ひび割れた黒」
これ、一回洗うと、ほぼ確実に割れます。
表面の顔料がひび割れて、雷が走ったような線が入る。
下の白がチラッと顔を出してくる。
「え、失敗した?」って一瞬なると思います。
でもそれが正解です。
そこからさらに穿いていくと、
今度は縦横に線みたいな色落ちが出てくる。
刷毛で引いたみたいな線が、ランダムに。
これ、どこに出るか全く読めないです。
膝なのか、腿なのか、ポケット周りなのか。
その人の動き方で全部変わる。
だから、同じパンツが一本も存在しない。
面倒を愛せる人に贈る「最高の未完成」
正直、めんどくさいです。
色移りもするし、気を使わないといけない場面もある。
綺麗に均一に履きたい人には、全くおすすめしません。
でも、その何倍も面白い。
こんなに『育つのが楽しみ』なパンツ、久しぶりというか、
ちょっと他に思い当たらないです。
シルエットはQUILPらしくて、
ウエストはゆるくて、ベルトでぎゅっと絞って穿く。
僕はサイズ1でも2でも穿くし、どっちもちゃんといい。
太いんですけど、ただ太いだけじゃなくて、
タックの入り方がいいから、ちゃんと形が出る。
無骨なのに、どこか整って見える。
このバランスで、この“暴れる生地”。ちょっとズルいですよね。
オンリーワンの経年変化
『Mud Black』っていう名前もすごく良くて、
真っ黒じゃない、濁った黒。
光で少し茶色くも見えるし、グレーっぽくも見える。
でも結局、それも変わっていく前提の色なんだと思います。
最初から完成してない。
むしろ、ここからどうなるかの方が本体。
白には戻らないけど、
確実に白に近づいていく。
その途中が全部かっこいい。
めんどくさいし、正直クセも強い。
でも、こういうパンツを待ってた人、いると思います。
僕はかなり好きです。
2026.7.3 DAVIS Vol.2『追記』ここからは体感レポートです。
QUILPの『DAVIS』。
入荷時に「白に帰っていくトラウザーズです!」と、あーだこーだ書きましたが、
そこから約二ヶ月。
自分でも一本買って穿いてみました。
サイズは3。
ぶっとい袴みたいなバランスで穿きたかったので、一番大きいサイズです。
ちなみにウエストはびっくりするくらい余っています(笑)。
でも、これはこれで好き。
ぎゅっと絞って、たっぷりした生地の動きを楽しむ。
もちろんサイズ2ならもっと自然なバランスになりますし、去年のグリーンデニムのDAVISはサイズ1で穿いています。
その辺は好きな穿き方で選んでもらえればいいと思います。
そして肝心の経年変化。
正直、予想と違いました。
Vol.1で「かなり割れると思います。」と書いたのですが、僕のは全然違いました。
他のお客さんのパンツでは、顔料が割れてバキバキっとした変化をしているものも見ました。
でも僕のは、縦横に走る生地の線がふわ〜っと浮き出てきました。
黒が抜けて、青みを帯びたネイビーグレーのような色。
これ、森下さんとも話していたんですが、
黒にも赤系と青系があるそうです。
そして森下さんがこの生地に惹かれた理由も、そこだったそうです。
抜けていった時の色が青系だったから。
あぁ、なるほどなと。
ただ黒が薄くなるんじゃなくて、奥から違う色が出てくる感じ。
最近は何も考えずにこればかり穿いてますが、正直、かなり気に入っています。
(これじゃない日はHOPPER’S BRUNCHの白パン)
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ちなみにこの変化。
まだGW頃からなので、一ヶ月半〜二ヶ月くらいです。
でも普通の一ヶ月半ではありません(笑)。
毎日穿いて、自転車にも乗って、店に立つ、座る。
週末だけ穿く方なら何年分なんだろう、というくらいストレスをかけています。
これは、
『桃谷耐久テスト』。
「桃谷耐久テストで一ヶ月半なら、自分ならどれくらいだろう。」
くらいの参考にしていただければ。
そして僕はこのまま穿き続けます。
最初に予想した通り、本当に白に帰っていくのか。
引き続き検証します。
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あと、予想外だったことがもう一つ。
これ、夏もいけます。
最初は生地感的に春秋メインかなと思っていました。
でも顔料が落ちて、生地も柔らかくなって、明らかに穿き心地が軽くなりました。
「えっ薄くなった?」
って思うくらい。
この感じなら3月から11月くらいまでいけそうです。
最初の頃は手に色も付きました😅
もちろん服への色移りも絶対ないとは言えません。
でも思っていたより大きな事故は少なかったです(笑)。
こういう面倒なところも含めての、DAVISだと思います。
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最初はバキバキに割れていくような経年変化をしていくトラウザーズだと思っていました。
でも今のところ、僕の一本は違う方向に育っています。
予想は外れました。
でも、いい方向に。
むしろ想像以上に面白い。
同じ生地なのに、穿く人によって全然違う。
ここまで変わるパンツって、なかなかありません。
正直、もう一本欲しいです。
次はサイズ2で穿いてみたい。でも1も捨て難い。
サイズ3とはまた違う育ち方をする気がします。
2026.7.14. 追記の追記
森下さんのご好意により、少量ですが、完売していたサイズ1と2を分けていただきました!