説明
白シャツなのに、少し浮かれている
きれいな白シャツなのに、どこか浮かれている。
Post O’Allsの新型『Fever 2』。
これ、かなり面白いシャツです。
白の半袖シャツ。
高密度のブロードクロス。
イタリアンカラー。
ボックスシルエット。
言葉だけ並べると、すっきりした夏のシャツに聞こえるかもしれません。
でも実際に見ると、ただ清潔なだけでは終わらない。
襟の開き方、胸元の抜け、少し広めの身幅、タックアウトした時の裾の収まり。
どこかに、夜の匂いというか、少しだけ不良っぽい色気があります。
NEUTRAを思い出す、静かな仕立て
Post O’Allsでイタリアンカラーのシャツというのは、かなり珍しいと思います。
2000年代に登場していたNAVY SHIRT以来の流れを感じる襟型で、ブランドの中でも新鮮な立ち位置。
ワークウェアを軸にしてきたPost O’Allsが、ここまで開放感のある襟をやる。
それだけで、ちょっと特別です。
しかも今回かなり面白いのが、ただの『開放感のあるシャツ』で終わっていないところ。
襟元はエレガント。
生地もクリーン。
縫製もかなり細かく、ドレスシャツに近い仕立てです。
主な部分は折り伏せ縫いで、前後のヨークにはギャザーが入り、バックヨークはスプリットヨーク仕様。
ボタンもお馴染みの白い貝ボタンですが、通常より小ぶりなものが使われています。
つまり、かなりちゃんと作っている。
この空気感、僕はNEUTRAシリーズを思い出しました。
ドレスシャツの縫製や空気を、Post O’Allsらしいワークウェアの感覚に落とし込んでいたあのシリーズ。
もちろんこれはNEUTRAそのものではありません。
でも、『上品なのに、ちゃんと日常着として着られる』という感覚には、どこか近い匂いを感じます。
親子ポケットに残るワークの血
さらに面白いのが、左右で大きさの違う親子ポケットです。
イタリアンカラーに、高密度の白いブロード。
そこにこの少し無骨なワーク由来のディテールを乗せてくる。
だから、ただの上品なシャツでは終わらないんです。
ドレスっぽいのに、ちゃんとワークの血が残っている。
きれいなのに、少しだけ土臭い。
この混ざり方が、すごくPost O’Allsらしい。
労働の日常と、週末のフィーバー
名前の『Fever』から連想するのは、やっぱり50年代から70年代あたりのアメリカの空気です。
ブルックリンの若者たちのタフさ。
イタリア系コミュニティの色気。
労働の日常と、週末に少し着飾って出かける感覚。
そういうものが、この一枚の中にうまく重なっているように感じます。
だから、これは単なる「きれいな白シャツ」ではありません。
夏の白シャツは、これくらい気が利いていていい
Tシャツの上から前を開けて着ると、かなり軽い羽織りになる。
ボタンを留めれば、襟元の開きがきれいに出て、ショーツでもパンツでもちゃんと形になります。
白なので合わせやすいのは当然ですが、退屈な白ではない。
清潔感がありながら、少し遊んでいる。
夏のシャツとして、かなり良いところを突いています。
タックアウトに合うストレートカットの裾も、このシャツにはよく合っています。
着丈は長すぎず、身幅はややゆったり。
僕でMサイズを着て、無理なく余裕のある感じです。
横から見ても膨らみすぎず、背中のギャザーで生地がふわっと動く。
この軽さが、ブロードクロスの白にとても合っています。
清潔で、少し色気があって、ちゃんと作り込まれている。
でも決して気取っていない。
Post O’Allsが3年かけて形にしたというのも、なんとなくわかります。
ワークシャツでもなく、ドレスシャツでもなく、リゾートシャツとも少し違う。
労働の日常と、週末のフィーバーをつなぐような一枚。
夏に白シャツを着るなら、これくらい気の利いたものがあってもいいと思います。