説明
曖昧だからこそ、頼りになる一枚
黙って着ればシャツ。
けれど、重ね着してみるとジャケットにもなる。
シャツとジャケットの中間にある、HOPPER’S BRUNCHの定番Shirts Jacket。
ブランド開始当初から作り続けているシャツですが、毎回完売している、正直ちょっとずるい一着です。
名前の通り、シャツでもありジャケットでもある。
ただ、その中間というより、両方の良さを自然に引き出している感覚に近いです。
Tシャツの上から羽織れば軽くて、
少し重ねるとちゃんと上着として成立する。
この曖昧さが、好きなんですよね。
空気を含んだ、軽やかな生地
今シーズンは、ウォッシャータイプライタークロス。
高密度に織られた生地に洗いをかけているので、
ハリは残しつつ、どこか空気を含んだようなやわらかさがあります。
触ると少しカサッとしたドライな質感。
でも硬さはなくて、肌離れもいい。
軽くて、これからの季節にちょうどいい生地感です。
縫い目には細かなパッカリングが出ていて、
ビンテージショップでたまたま出会ったワークな顔つきのドレスシャツみたいな趣を持っています。
きれいすぎないし、かといって雑でもない。
この間のニュアンスがすごくいいんです。
光と影のような2色
色も、どっちにするか悩む2色です。
アイボリーは、ただの白ではなくて、光をやわらかく受け止める色。
少し陰影があって、和紙みたいな奥行きがあります。
外で見るとほんのり透けて、軽さの中に落ち着きがある卵白みたいな色です。
オリーブは、光を吸い込むような落ち着いた色。
ミリタリーっぽさはあるんですが、もっと乾いたトーンで、
土や植物を思わせるような静かな深さがあります。
ビンテージのテントクロスを再現したような、
着はじめからこなれた表情になっています。
並べると、光と影みたいな関係。
どちらも強くはないんですが、ちゃんと印象に残る色です。
ワークの匂いと、ドレスの趣が同居するディテール
ディテールもいいです。
前立ての下半分と袖口は比翼仕立てで、
削り出しのアルミボタンが出すぎない。
そのおかげで、生地の表情がきれいに見えます。
袖口はジャケットっぽい処理なんですが、
全体はあくまで軽い。
胸元のホームベース型のポケットも、
ちょっとワークの匂いがあっていいバランスです。
内側のラベルの縫い目が表に出てくる仕様も、
さりげないんですが、ちゃんと引っ掛かりになるポイントです。
サイドシームや裾の縫い幅は少し太めに設定してあるので、アメリカのワークシャツのような巻き縫い特有のパッカリングとはまた違う、空気が入ったような余白が出てきます。
季節をまたぎ、日常に溶け込む一着
パターンはややゆったり。
身幅も腕まわりもゆとりはあるんですが、
着ると大きく見えすぎない。
肩の力は抜けているのに、だらしなくはならないんですよね。
Tシャツに羽織るだけでも形になるし、
シャツや革靴と合わせてもちゃんと馴染む。
どっちにも振れるんですが、寄りすぎない。
このバランスはさすがだなと思います。
使い方もかなり自由です。
羽織ってもいいし、一枚で着てもいい。
暑い時は袖をまくって、少し肌寒ければ上に重ねる。
そのときの気温とか気分で、自然に行き来できる。
シャツとしてもジャケットとしても使えるので、
どちらかを選ばなくていい気楽さがあります。
この曖昧さが、いちばん頼りになります。
最近では暖かい時期が長くなってきているので、このシャツジャケットのように、軽やかな着心地と実用性を兼ね備えた服は、季節を問わず自然と出番が増えていく一枚だと思います。