説明
The Essence of My Berlin Atelier
ベルリンのアトリエに積もる、フランクの記憶の断片と素材の気配。
そこからすくい上げられたのは、ふたつの『種』。
長い眠りから目覚め、静かに語りはじめる、小さな祈りのかたち。
静かで、濃密で、興味深い記憶のかけら。
Frank Lederが『つくる』という行為の本質に立ち返った、もうひとつの軸──The Essence。
THE ESSENCE
2006年、Frank LederとFlorian Horwathによって始まった実験的なコレクションライン。
全体的にナチュラルでオーガニック。哲学的で、思索的で、アーティスティック。
まるでアート作品のような、強い個性と静かな熱を持ったコレクションでした。
彼らはそれを『コレクション』とは呼ばず、『GRAINS(種源)からなるHARVEST(収穫)』と名付けて展開。
HARVEST No.3の『SEEDS』では、銅のジュエリーが登場しました。
今回、その『収穫』の一部が、Frankのアトリエから、ふたたび姿を現します。
Acorn(どんぐり)
森の実。
ポケットの中にいつまでも入れておきたくなる、小さな塊。
ドイツの森を歩きながら拾ったようなリアルな造形。
ひとつずつハンドキャストでつくられた、小粒ながらずっしりと響く重み。
身につけるうちに、ゆっくりと緑青が浮かびはじめ、やがて森へと還っていきます。
どんぐりは、大器晩成や成功のシンボル。
芽吹き、根を張り、やがて大木となるその姿は、人生そのものの比喩でもあります。
願いや希望、健康や長寿。
言葉にしない“お守り”として。
胸元でころんと揺れるその存在は、ふとした瞬間に、そっとあなたを励ましてくれるでしょう。
Wishbone(ウィッシュボーン)
願いを込めて引き合う骨──ウィッシュボーン。
その繊細なフォルムを、銅で写し取ったジュエリーです。
骨は、生と死、運命、そして祈りを象徴するモチーフ。
小さな形のなかに、抗いがたい『力』が宿っています。
アメリカにはこんな諺があります。
「The wishbone will never replace the backbone.」
──願いだけでは前には進めない。必要なのは、意志と覚悟。
この骨は、希望のかたちであると同時に、覚悟のかたちでもあります。
お守りのようなジュエリー
銅という素材が持つ、湿度を含んだような鈍い輝き。
実や骨が持つ神秘と、生々しさ。
それらがうまく混ざり合い、特別な佇まいに仕上がっています。
どちらも、時とともに変化していく。
身につける人とともに、育っていくジュエリー。
たくさんは作れませんでしたので、数に限りがあります。
Frank Lederの記憶の森から、ほんの少しだけ、あなたへ。